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上海支局ブログ

2014.06.13

「温故知新」って大事ですよね

 「上海の紡績工場がなかったらトヨタ自動車は誕生しなかったかもしれない」。

 “世界のトヨタ”のグループ原点とされるトヨタ紡織。戦前、同社は中国上海に工場を持っていたのです。グループ初の海外拠点として。ご存知でしたか?

 グループ創業者の豊田佐吉氏が1921年に設立した「豊田紡織廠」です。「在華紡」と呼ばれる当時の日系紡績工場の1つで、現在工場はありませんが、跡地に記念館が建っています。当時の資材を再利用して事務所棟と食堂棟を復元し、レンガ造りの趣深い館内に実際に使用された織機の現物が展示されています。



 運営しているのは地元政府、ではなく………なんと、トヨタグループです。ガイドブックには一切載っておりません!(少々自慢です、笑)。

 そこで聞いたのが、冒頭の一節です。あまりにもリスクの大きい新規事業に社内でも反対の声が上がる中、トヨタは、上海で得た望外の利益を、社運を懸けて自動車生産に投入しました。そして今があるそうです。

 このような意義ある取り組みをなぜ外にピーアールしないのでしょう。

 この国で、非営利目的で外資企業が博物館――、だからいろいろと面倒があるのでは? それだけではありません。

 当時は日中戦争の発端となった上海事変を目前にした時代でした。“日貨排斥”も起こる中で、在華紡は日本による搾取の象徴でもありました。いまも嫌日の視線を浴びることもあるそうです。国家的な政争に利用されては歴史保存の意義が崩れます。現在の日中関係がすぐに思い浮かび、考えさせられました。

「否が応でも、格別の親善関係を持たねばならない」。

 豊田佐吉氏はそんな言葉を残したそうです。億単位の維持費を投じてまで運営しているトヨタグループの想いに、頭が下がりました。

故(ふる)きを温(たず)ねて、新しきを知る――。大事なことですね。

 長い歴史の上に成り立っている現在の日中関係。当社の専門分野にも政治的な理由からさまざまな問題が次から次に出てきます。この国の過去を知る重要性をしっかり認識し、勉強をしなければいけない。そう感じた1日でした。(蓮見)
 

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